Hola, プロカメラマン予約『Totte』のスペインブログです。
今日はスペイン発の興味深い『歴史とお金』のお話です!
日本で使われる通貨(お金)は「円」、スペインは「ユーロ」、そしてアメリカといえば「ドル」(Dollar)ですよね。
そんな世界で最も流通している通貨の『ドル』は、もはや経済と資本主義のシンボル。
Source: Museo Arqueológico Nacional (MAN)
ピカソと並び20世紀のスペインを代表する芸術家のサルバドール・ダリのあの独特な髭もドルサインの『$』をモチーフにしているんだとか。
でも、お気づきでしょうか...
ドル記号『$』って、どうして「ドルのDに縦棒」じゃなくて「Sに縦棒」なの?
なになに、気にしたことなかったけど不思議!
この謎を探るべく、Totteの雑学博士をマドリードにあるスペイン国立考古学博物館(Museo Arqueológico Nacional)へ派遣してきました!
▽コイン専門のコーナーを発見!
▽早速、なにか発見したようです。
それでは本題へ!
→ドル記号『$』のデザインには諸説があるそうです。
【スペインのペソ説】P + S = $
【8R説】8R = $
【スペインの国章説】II + S = $
【アメリカ説】U + S = $
【その他の説】S + I = $
<スペインが発祥説>
【有力説1】スペイン通貨ペソの「P + S」の重ね合わせ合字
P + S = $
最も有力なこの説、『$』記号は昔のスペイン通貨『ペソ(Peso)』が由来とのこと。
現在のアメリカ合衆国の建国以前ではメキシコなどのスパニッシュアメリカとイギリス領土の北米地域の間での貿易にスペインの通貨『ペソ』(Peso)が盛んに使われていて、このペソの複数形(Pesos)と書く際に
Pesoの P + 複数形のS = Pesos
と書いていて、この「P + S」を省略するショートハンドで二つの文字が重ね書きされ、その結果、現在の『$』に変化したと言われています。
つまり、この説は「$」はもともとスペイン通貨の「ペソ」を表す記号とのこと。
現在の「アメリカのドル」が世界通貨になる前は「太陽の沈まない国」とも呼ばれたスペイン帝国の貿易に伴い「スペインのペソ」の流通が盛んだったことを表していますね!
→『スペインと世界通貨』についてはまた後日!
【有力説2】 8R = El Real de a 8
8 + R = $
上記のスペインのペソ説と似ていて、15世紀の終わり頃からスペイン帝国で使われていた通貨のペソが「El Real de a 8(8R)」とも呼ばれており、この『8R』が『$』へと変わっていったとの別の説もあります。
Source: MAN
【有力説3】スペインの象徴、ヘラクレスの柱から「$」へ
II + S = $
▽スペインの国旗にある国章をご覧ください。
Source: Government of Spain
スペインの国章にも使われているジブラルタル海峡の両端に立つ「ヘラクレスの2つの柱」に「リボン」が巻きついていますのがおわかりでしょうか。
このスペインの国章は18~19世紀にかけ、上記のペソ(El Real de a 8)にも刻印されだします。
この説が$の由来だと、「リボン」が『S』の部分、そして「2本の柱」が『縦棒』です。
※現在の「$」は縦棒が1本ですが、以前だと「縦棒が2本」バージョンもあるんです!
<イギリス&アメリカが発祥説>
U + S = $
→現在でも東アフリカのイギリス旧植民地の国の現行通貨となっている「シリング」の通貨記号「S」から『$』へと繋がった説。
→また、アメリカ合衆国のUnited Statesの「US」が『$』へと繋がった説。
→「US」繋がりで、「銀の単位」 を表す “Unit of Silver” の「US」が『$』の発祥との説もあります。
<その他の説>
S + I = $
文字の組み合わせだとを見ると、この説が一番シンプルなのですが...
よく欧米で『蛇の巻き付いた杖』が医療や医術の象徴として用いられているのをご覧になったことはあるでしょうか。
▽世界保健機関(WHO)のロゴにも
Source: WHO
これ、「アスクレピオスの杖」というギリシア神話に基づいたシンボルマークで、この『蛇の巻き付いた杖』がドル記号『$』のもとになったとの説もあります。
『ドル』(ダラー)の呼び名の由来ともなった16世紀のボヘミア(現チェコ)にあった銀の鉱山 Joachimsthaler(ヨアヒムスターラー)にこのような形の「十字架」があったと言われています(こちらはまた後日...)
最後に、こちらは友人経由の別の『S + I』説なのですが、13世紀から15世紀初頭にかけてイタリアのリミニ、ペーザロ、チェゼーナを領したマラテスタ家(House of Malatesta)の紋章が『$』にそっくりとちょっとした噂に。
→ 興味ある方は一回 “Sigismondo Malatesta + Dollar”ってググってみてください。
パリのルーブル美術館に肖像画が飾られているSigismondo Malatestaとその妻 Isotta degli Attiへ贈ったソネットから
S + I = $
...でも、この2人が亡くなった1468年と1474年だと、上記の(アメリカ大陸後の)8R説が始まる1497年から年月が離れすぎていて、なおかつ1492年以前だとまだコロンブスがアメリカ大陸に到着していないので、ルネサンス好きの間の噂なだけかも。
それから300年ほどの時日を経て、建国後のアメリカ合衆国で「ダラー」(ドル)の通貨と今日の『$』の通貨記号が導入されます。
 ̄
次回は16世紀以来、イギリスとアメリカが「スペイン・ドル」&「Piece of Eight」と呼んだスペイン銀貨の『El Real de a 8』が『太陽の沈まぬ国』ともまで呼ばれたハプスブルク家のスペイン帝国で、いかに『世界通貨』となったかをご案内できれば。
△遠い国のスペインだけど、日本にも関係あるんです!
あ... 後、これ、全部マドリードの旧市街や博物館で見れます!
そして、日本に帰った後は日本銀行の貨幣博物館に行っても面白いかも。
 ̄
スペイン旅行のお土産&想い出づくりに私たちが夫婦でスペインより手掛けているヨーロッパのプロカメラマン予約サービス『Totte』の撮影サービスもぜひご検討ください!
現在スペインをはじめポルトガル、イタリア、フランス、イギリスなどヨーロッパ各地にて現地のプロフォトグラファーによるご家族やカップルとの「カジュアル撮影」からハネムーン&ヨーロッパ旅行とあわせた「フォトウェディング撮影&前撮り・後撮り」のご予約を受付中です。
TotteではELLEで研修を修了したウェディングプランナーがお客様のご要望やスタイルに合わせて『100年後にも残る想い出』をモットーに、いつまでも記憶に残るタイムレスなフォトウェディング撮影を提案しています。
撮影のお申込み&詳細はTotteのホームページよりご覧ください!
→ Totteについて詳しくはこちら
→スペインの人気記事はこちら
 ̄
Totte 代表プロフィール
松下 葵 | Aoi Matsushita
長野県生まれ、高校まで信州で過ごし、かねてからの夢であったアメリカ留学を決意し、高校卒業後はニューヨーク州立⼤学政治学部へ入学。大学卒業後は東京のイベント会社で海外PR・マーケティングを担当。
結婚を機に夫婦で起業を決意し、スペイン政府主催の起業プログラムを活用して2018年にスペイン・マドリードにてプロカメラマン予約の『Totte』を創業。
スペインに移住後はTotteのモット―である『100年後にも残る想い出』をより具現化するため、ファッション誌「ELLE」とマドリード「コンプルテンセ大学」にてPR & Visual Merchandising Diplomaを取得し、その後「ELLE Education」にてウェディングプランナーの研修を修了。また、NTT Data eAwardsやWeb Summit Alpha Startupなど、スペインとポルトガルの様々なスタートアップコンテストにも入賞し、現在はスペイン、イタリア、ポルトガル、フランスを含むヨーロッパ各地でサービス展開中。
2021年よりヨーロッパのアートポスターのセレクトショップ『DeCasa』の代表も務めており、2022年4月には大丸松坂屋百貨店の東京店ショールーム「明日見世」に出店。同年9月より丸井グループが手掛ける「5PM Journal」のDiversity & Inclusion ブランドパートナーとして参画しております。
→ Aoiについて詳しくはこちら!
▽スペインでの起業生活のYouTubeチャンネルもぜひご登録お願いします!
 ̄
【お知らせ】
Totteの新ブランド『DeCasa』をはじめました!
ヨーロッパで活躍するアーティストの
日本未上陸アートプリントを購入できます。
インスタグラムもぜひフォローください!
 ̄